もう二度としない。借金完済で得た教訓

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金額が小さいほど注意すべき

借金にまつわる失敗は、大きな金額ではありません。でも、小さな金額ではあります。まだ、ぼくが学校を出て会社に入って間もないころの事でした。学生時代から、タバコを吸っていたぼくは、そのまま就職しても、会社の事務所でしょっちゅうプカプカとやっておりました。

そのころは、まだタバコに対して今ほど嫌悪感のない時代でした。会社の事務所などは、どこでもデスクに必ず灰皿が置いてあって、むらさき色のタバコの煙が立ち昇っているのが当たり前だったのです。

    そんな中、ぼくたちは、書類を作りながら、また目を通しながら、いつも仕事をしていたのです。

    ぼくは、ずっと営業職だったので外へ出ることも多かったのですが、営業という仕事にはデスクワークが着いて廻るもので、日によっては一日中デスクにかじり付いていることさえありました。そんな日は、とくにタバコを吸い過ぎてしまい、あっという間に無くなってしまうのです。

    その日も、ぼくは朝からデスクにかじり付いて、書類を作ったり、客先へ電話をしたりと忙しく働いておりました。右手に電話、左手に火の着いたタバコ。そんなスタイルがいつものぼくでした。瞬く間に、ぼくのタバコが底をつきました。しかたなく、一階の売店まで買いに行こうと思ったところが、サイフがロッカーの上着に入れっぱなしであることに気づいたのです。

    ロッカーまでいくのが面倒ということと、忙しいのにかまけて、その時、タバコ銭を隣のデスクの先輩に借りたのです。ですが、金額が小さいということもあって、ぼくはその借金をスッカリ忘れてしまいました。しばらく後になってのこと、酒の席で、ぼくはその先輩から、金額の多寡に関わらずキチッとすべきであると注意されてしまいました。アッと思い出したぼくは、平身低頭です。

    つぎの日、ぼくは封筒に借りたタバコ銭と、“忘れてました。申し訳ありませんでした”と書いたメモ書きを入れて、先輩のデスクに置いておきました。借金は、金額が小さいほど、注意すべきなのです。それは、人間関係を崩すと共に、こちらの人間性をも問われるものなのです。

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